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美大の試験で自画像デッサンは
鏡を見てはいけないって知ってる?

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ー ​予備校の講師が受験生だったころの大失敗談 ー

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——これは、講師が受験生だったときの話です。

​笑えるようで笑えない体験を見て、現実を知ってください。

「美大の試験で自画像デッサンは

 鏡を見てはいけないって知ってる?」

初めての東京の美大受験で、一番ビックリしたこと。
れは 「自画像デッサンなのに、鏡がない」 という衝撃の事実。

一次試験の課題は 自画像
「さあ、描こう!」と意気込んだものの… え?鏡は?

当たり前にあると思っていた鏡が、どこにもない。

「いやいや、自画像って、自分の顔を見て描くもんでしょ?」
パニックになる僕をよそに、周りの受験生たちは何事もなかったように描き始める。
「シャッシャッシャッ…」
試験会場に響く、鉛筆が紙を走る音。

「えええー!みんな、なんで見ないで描けるの!?超能力か?」
完全に取り残された僕は、勇気を振り絞り手を挙げた。

「すみません…鏡、ないんですけど…」

試験官は少しの間をおいて、無言で 「カツッ」 と筆箱を叩き、そのまま去っていった。
えっ、どういうこと!?
答えを求めて彷徨う僕の目に映ったのは、筆箱のツルツルした表面。

「これ…うっすら自分、映ってる!?」

そう、試験官は何も言わずに 「これでどうにかしろ」 と教えてくれていたのだ。
僕は左手に筆箱を持ち、右手で必死に描いた。
めちゃくちゃ描きづらい。手がプルプル震える。

なんとか完成。…でも、周りを見た瞬間、血の気が引いた。
周りの受験生が描いた自画像、めちゃくちゃ上手い。

僕の絵?
漫画の延長みたいな線画。立体感ゼロ。
「え、みんな…どうしてこんなに凄いの…?」

恥ずかしくて、もうこの場から消えたかった。
「どうか、この自画像が誰にも見られませんように…!」と祈りながら、そそくさと会場を後にした。

そして、情けないことに、僕はそのまま 二次試験を受ける勇気もなく、フェードアウト。(そのデッサンの点数は一桁だった。。)
こうして、僕の 「受験1年目」は大失敗からのスタートとなった。

「独学で挑んで、見事に散った」

美大を目指しているけれど、

「本当に自分が受かるのか不安…」
「周りと比べてレベルが低すぎる…」
「そもそも、今のままでいいのか?」

そんな気持ち、めちゃくちゃ分かります。
なぜなら、昔の僕も全く同じことを考えていたから。

いや、むしろ当時の僕は もっとヤバかったかもしれません。

なにせ 独学で美大受験に挑み、玉砕。
「才能があれば受かるでしょ!」みたいに思って挑んだら、さっきの自画像の試験のように現実は甘くなかった。

そして確信しました。

「このままじゃ絶対受からん。」

大事なことなのでもう一度言います。

「このままじゃ絶対受からん!!!」

受験は 気合いと根性 だけでは突破できません。
(僕はそれを 試験会場で静かに悟りました。

でも、ここで諦めなかったからこそ、僕は今、現代アーティストとして活動しながら、美術予備校で講師もやっています。

今あなたが「ヤバいかも」と思ったなら、動くのは です。
僕みたいに痛い目を見たくなければ、早めに本気を出すんだ

 

初めての美術予備校――「レベル違いすぎてwww」

独学じゃどうにもならないと悟り、美術予備校に通うことを決意。

横浜に在住だったので、東京近郊の美術予備校を選んだ。
「よし、ここで腕を磨くぞ!」と意気込んで、初めて教室に入ったその瞬間——

「えっ、やばい。」

周りの人たちの絵が、なんかもう…次元違いすぎ。
線はキレッキレ、構図はバシッと決まってるし、立体感もバッチリ。

「え、これって…ほんとに 同じ受験生 の作品?

しかも、みんなが描いてる絵がデカい!
僕が家でちまちまA4サイズに描いてたのに対し、予備校では デカい紙に堂々とガツンと描くのが当たり前。

「え、そんなルールあったの!? 俺、間違えてミニチュア版の世界にいた?」

その瞬間、僕の心はバキッと音を立てて折れかけました。
でも、ここで逃げたら本当に終わる…!

そうして 絶望のどん底からのスタート を切ったのでした。

孤立した予備校生活――ぼっち飯マスターへの道

当時の僕は 対人恐怖症 だったので、予備校に通い始めても 誰とも話せない
いや、話せるとか以前に、話しかけられる気配すらない。

昼休憩もひとり
気づけば ぼっち飯の達人 になってしまった。

途中から通ったので 1年3ヶ月 の間、ずーっと ソロランチ生活
周りの受験生たちは楽しそうに盛り上がってるのに、僕は最初は近くのデパートでトイレ飯、その後は予備校の屋上で黙々とコンビニ弁当をモグモグ。

「これ、俺、ここにいていいの…?」

そんな疑問が100回くらい頭をよぎりました。
でも、そこで逃げたら何も変わらない。

なので、僕は ひたすら絵を描きました。
人と話すのは無理でも、筆と会話ならできる!

……まぁ、最初のうちは筆にもそっぽ向かれましたけどね。

「講評」が怖かった。でも、そこでレベルアップ!

予備校では定期的に 「講評」 という時間がありました。
自分の絵がみんなの前に並べられて、先生が講評していくのですが…

これがもう、緊張する!

最初の頃は 「またダメ出しされるのか…」 と、まるでテストの点数発表を待つような気分。
先生が自分の絵を指さした瞬間、心の中で (やさしくお願いします…!) と祈る日々でした。

でも、他の人の講評を聞いていくうちに、あることに気づきました。

「あれ、みんなも結構ダメ出しされてる…?」

「なるほど、ここを直せばもっと良くなるのか!」

「てことは…直せば自分も伸びるってこと…?」

そう思うようになってから、講評が怖いだけの時間ではなく、自分が上達できるチャンス になりました。

…まぁ、それでも 先生にダメ出しされる瞬間は毎回ビクビクしてましたけどね。

時間が足りない!未完成のまま終わる日々

最初の数ヶ月、とにかく絵が完成しない。
時間内に終わらせようとしても、気づけば試験終了。
「え、もう終わり!?」「いやいや、あとちょっと塗らせて!」
…なんて言えるわけもなく、未完成のまま提出する日々でした。

「このままじゃ絶対に受からない……!」

そう思った僕は、話の通じそうな先生を見つけ、めちゃくちゃ低姿勢でお願いしました。
「先生…あの…休みの日も予備校で描かせてもらえませんか?」

普通はダメなんですが、なんと特別に鍵を借りることに成功!
そこからは 予備校=第二の家 になりました。

日曜日?関係なし。

夏休み?なんですかそれ。
正月?いやいや、筆持たないと落ち着かない。
友達は初詣に行ってたけど、僕はデッサンに全集中。

周りが遊んでいる間、僕はひたすら絵を描き続けました(週7で休日なし!)。
最終的に、多摩美術大学油画専攻の試験本番ではデッサンは、なんと半分の時間に絵を完成させることができるようになりました(約3時間も余った)。

…でも今思うと、お年玉くらいもらいに親戚のうちに行っとけばよかったかな?

「結局、やるしかない。」

僕は最終的に 学科がヤバかったけど、唯一行きたかった当時倍率10倍以上のタマビの油画科に50人以上居た補欠より上の確定合格しました。(デッサン124/150点 油彩124/150点)そのときの入試成績表

 

でも、それは才能じゃない。
独学で落ち、予備校で努力し続けた結果です。

「受験が不安」
「自分の絵で本当に受かるのか?」

そんなふうに思っている人は、今すぐ行動してください。
時間は待ってくれません。

ここで本気で頑張れば、未来は変わります。
あなたが本気なら、一緒に挑戦しましょう。

おまけ。「鏡なし自画像」 の秘密!

そうそう、言い忘れてました。
なぜ僕以外の受験生は、鏡なしで自画像を描けたのか?

実は… 超能力でも透視でもなく、ただの反復練習の賜物 でした。

僕も予備校に通いながら 「みんなエスパーなの?」 って本気で疑ってたんですが、
ある日、気づいたんです。

それは 自画像の課題を3枚描いたあと、4枚目に取りかかったときのこと。

「また自画像か~、もう見なくても描けそうだな…」

……あれ? 本当に描けた!?

その瞬間、謎がすべて解けた。

「え、まさか…これって、ただ 何度も描いて覚えただけ じゃん…!」

そう。
みんな、ひたすら 自分の顔を描き続けて、記憶してた だけだったんです。

「そんなのできるわけないじゃん!」って思うかもしれないけど、
実際、できちゃうんです。それもかなりリアルに。

最初は無理でも、淡々と続けてると 気づいたらできるようになってる。

​美大受験は才能じゃない!!!

​器用なウサギよりもコツコツやってる亀が勝つんです
受験も、実技も、何事も 結局そういうもの なんですよ。

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美術予備校よりみち

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  多摩美術大学油画専攻の入試成績表

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